埋め込み式リフトテーブルを設置する時の注意点

リフトテーブルをピットへの埋め込み式にする場合の目的は、テーブル上へのアクセスを容易にすることや、リフトテーブルを設置したいが普段は設置個所を作業スペースとして利用したい場合などが考えられます。リフトテーブルを埋込式にすることで、空間をより効果的に、より広く使えるというメリットがあります。いくつかの注意点を守っていただく事で、作業の効率と安全性を最大化できます。

段差解消用 (2)

埋め込み式リフトテーブルの注意点

リフトテーブルを埋め込む場所の選定は、作業の効率化や安全性の向上にとって非常に重要な工程です。設置した場合にリフトテーブルが他の機器と干渉しないか、昇降した場合の昇降経路に干渉物が無いか。また、他の装置との取り合いがある場合は、リフトテーブルと装置との寸法の確認が必要です。
リフトテーブル昇降中に作業者が周囲で作業する場合は、4面ジャバラや4面セーフティシュー等の安全装置が必要になります。メンテナンス性を考慮して、リフトテーブル周囲に点検作業が可能なスペースを確保することも考慮しなければなりません。またメンテナンス性の向上のために、テーブル部分に機内メンテナンス用の点検口を設けることも可能です。他にもピットの開口寸法をリフトテーブル寸法より、あえて大きく施工し、リフトテーブルとのクリアランスを埋めるようにピットカバーを取付することで、ピット内部にメンテナンス用のスペースを確保することも可能です。オプションによってはテーブル寸法より張り出す部品もありますので、事前の図面確認が必須です。

リフトテーブルを埋め込むためのピット寸法は、リフトテーブル本体が収まるサイズと深さに設計する必要があります。加えて、ピットとリフトテーブルには、適切なクリアランス(すき間)を設ける必要があります。また、ピット深さはリフトテーブル下に施工するライナー代も考慮した深さ寸法としなければなりません。これらを考慮してピット寸法を決定してください。
ピットの周囲は、コンクリート欠落用のコーナーアングルを施工して下さい。加えてピットの底面は、平坦で十分に耐荷重を受けられるように施工して下さい。また、ピット内部に雨水等が入り込むと、リフトテーブルの構成部品である油圧機器や電気機器が水没し、故障の原因となります。場合によっては、リフトテーブルを使用いただけなくなる可能性もございます。よってピット内部には排水桝や排水ポンプを設置して下さい。

油圧ユニットや制御盤をピット外に設置する場合は、油圧ホースや制御線をピットの外に取り出す埋設管が必要になります。油圧ユニット・制御盤を機内に設置する場合でも、電源供給用の埋設管を設ける必要があります。
ピット内にはゴミや油汚れが溜まりやすいため、定期的な清掃を行って下さい。清掃を行う事で、リフトテーブルに不具合があった場合の早期発見に繋がります。

リフトテーブルを埋め込み式にして、その上を作業者やフォークリフトなどが通過する場合、テーブル上で滑り転倒等につながる恐れがあります。作業者の安全確保のため、リフトテーブルの上板を縞鋼板にする、滑り止めシートの貼付や滑り止め塗装など、様々な対策を施すことで、転倒事故を防止できます。また、周囲での作業性や取り合い等に支障が無ければ、リフトテーブル周囲に安全柵を施工することも可能です。

埋め込み式リフトテーブルには正しい機器選定と安全対策が必須!

このように、埋め込み式リフトテーブルを設置する際には、多くの点に注意する必要があります。正しい選定と安全対策を講じる事で、長期間にわたり、リフトテーブルを安全かつ有効的にご利用いただくことが可能となります。

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