リフトテーブル 日常点検のポイント

リフトテーブルを安全に末長く使用するためには、日頃の点検はとても重要で大切な作業と言えます。それでは日常点検の重要性について私たち人間の身体に例えてわかりやすく説明いたします。

どのような優れた機械であっても保守点検をしないまま永遠に使用できるものなど世の中には存在しません、私たち人間でもそれは同じことです、健康で安心して生きて行くためには日頃のケアとメンテナンスは欠かせません。
定期的な点検の中でも日常点検は異常や不具合を早期に発見し、処置するうえにおいても一番重要な点検作業と言っても過言ではありません。毎日の点検を怠りますと機械の寿命にも大きな差が生じます。

それでは始業前のリフトテーブルの日常点検のポイントについてご説明させていただきます。

目視による外観チェック

リフトテーブルの使用を開始する前にまずはリフトテーブル全体を目視にて眺めてください、どこか変形したり、壊れている箇所など見あたりませんか?
物をぶつけたり、挟み込んでしまい変形しているようなところなどはありませんかこのくらいならまだ大丈夫だと思い込まずに、発見した場合はただちに使用を停止し、詳細な点検と不具合処置をおこなってください、放置したまま使用しますと思わぬ事故につながり、とても危険です。人間に例えた場合、打撲や骨折寸前の状態のまま無理をして生活をしていることと同じです、そのうち骨折してしまい身動きができなくなります。

油圧シリンダーや油圧ユニットおよび油圧配管周辺から油が漏れていませんか?

人間に例えた場合、出血した状態で何も処置せず生活しているのと同じことになります、そのうちに血液が無くなり死に至ります。油漏れを発見した場合はただちに使用を停止し油漏れ箇所を修理するようにしてください。

操作スイッチや電気配線などに傷んだ箇所はありませんか?

電気系統の損傷は変形や油漏れと異なり電気が流れている状態であれば我慢しながらでも使用できるものですが急に断線をしてしまうと即作動不能に陥ります。人間に例えた場合、電気系統のトラブルは神経系の不具合と言えます、発症した場合は即機能不全に至り動けなくなってしまいます。たとえ小さくでも異常箇所を発見した場合はただちに使用を停止して配線交換などの修理ををおこなってください。

操作制御盤確認

作動点検

日常点検の中で、作動点検は重要です。

リフトテーブルを昇降させた時に異音はしていませんか?

リフトテーブルを昇降させた時にリフター本体から金属音のような異音が発生していませんか、ギーギー・メキメキといった音がしている場合は軸受部分の不具合が考えられます、リフターの使用を直ちに停止し軸受部を確認してください。
グリース給脂不足による偏摩耗などが疑われます、もし金属粉などが落ちていたり軸受部に偏摩耗を発見した場合は直ちにメーカーに相談してください。偏摩耗を放置した状態で無理やり使用を続けた場合はとても危険で致命的なトラブルに至る確率が非常に高くなります。軸受部に異常が見当たらない場合も早めに軸受部へグリース給脂するか、潤滑剤を塗布し異音の状態を確認してください、給脂状態が改善すると異音は解消します。
人間に例えた場合、関節痛を発症したが投薬もせず生活している状態です、そのうちに疲労骨折や神経系のトラブルに至り動けなくなります。
軸受部の部品交換修理は難度も高く気付いた時には修理がすでに不能なことがとても多いです、そのため早期発見は重要です、異音が出たら注視のうえでご使用してください。

給脂

リフトテーブルが使用開始当初と比べ一方に傾いて昇降などしていませんか?

リフトテーブルを昇降させた時に使用開始当初と比べどちらかに傾いているようならば軸受部の偏摩耗や本体フレームの変形あるいはライナー材が外れ台盤のレベル異常などが疑われます。この場合、目視による点検で早期に異常箇所をみつけることは十分可能です。

 

普段始業前の日常点検に時間を掛けることはなかなできないことと思います。ただ日頃から機械を思いやり労わる気持ちは重要です、とにかく使用中でも構いません、リフトテーブルからの悲鳴やシグナルを受け止め早期の異常発見と早期の処置に努めていただきますようお願いいたします。

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