ステンレスのリフトテーブルの用途!求められる理由

標準ステンレス製の油圧リフトテーブルを弊社ではサスケシリーズと称しております。ステンレスのリフトテーブルが求められる理由は様々ですが、多くは水気による鋼材の腐食対策です。クリーンルームで使用する等、特殊環境での設置を理由とする場合もございます。

サスケシリーズは、積載荷重300~2000㎏までをラインナップしております。
テーブル・アーム・ベース等の主要部品をすべてステンレスで製作しているのが特徴です。(一部の軸受け部等除く)
シリンダーはあえて、SS400材+塗装仕様にしており、パッキン交換時のメンテナンス性を考慮しております。
(シリンダーをステンレスで製作する事ことも可能です)
手元スイッチは防水仕様(IP65)、油圧ユニット別置式(カバー付)により、水による漏電対策・油漏れ対策・
メンテナンス性を考慮した対策を行っております。

 

サスケシリーズに求められるオプション

ステンレス製アンカー座(ブラケット)

リフトをアンカーボルトで床面に固定するための座(ブラケット)です。リフトテーブルを床面に固定することで、安全性を確保します。また、床面を清掃するような場合は、床面にリフトテーブルを固定するのではなく、一時的に持ち上げられるようにジャッキアップ座を取付することも可能です。

防水フットスイッチ(IP54相当)

標準仕様では防水仕様の手元スイッチ(2点押釦)ですが、オプションでフットスイッチ(足踏みスイッチ)に変更が可能です。フットスイッチに切り替えることで、両手を自由に使えるようになり、作業効率が向上するケースもあります。またご希望の場合は、カバー付のフットスイッチを選定いただくことも可能です。

ステンレス製 油圧シリンダー

標準仕様では、メンテナンス性及び安定した部品供給のため、鉄製のシリンダーに塗装を施した油圧シリンダーを使用します。ただしご希望の場合は、ステンレス製の油圧シリンダーに変更することも可能です。ステンレス製に変更することで、耐食性が向上します。

食品機械用 作動油

標準仕様では、一般的な機械作動油を使用していますが、食品工場などの環境でも対応できるよう、オプションで食品機械用のオイルに変更することが可能です。食品機械用オイルは、食品への偶発的な接触があった場合でも安全性を確保できます。使用環境や用途に合わせて、最適なオイルをお選びいただけます。

グリスニップルの追加

標準仕様においては、軸受け部にはスプレーグリスを吹き付け塗布いただくことになります。オプションで軸受け部にグリスニップルを取付可能です。グリス給脂仕様とすることで、より効果的に軸受け部へのグリス塗布が実施いただくことが可能になります。またご指定いただければ、通常のグリスから食品機械用のグリスに変更も可能です。食品機械用グリスは、食品への偶発的な接触があった場合でも安全性を確保できます。

4面ジャバラ

作業中の安全性を高めるため、オプションとしてパンタグラフ部分を四方から囲う4面ジャバラの取り付けが可能です。このジャバラは、作業者の指や衣服などがパンタグラフに挟まれる事故を防止するだけでなく、機内への異物の侵入なども防ぐことが可能となるため、より安全な作業環境を実現できます。取付ブラケット部分は通常鉄製ですが、使用環境に応じてオプションで耐久性に優れたステンレス仕様に変更することができます。またジャバラ生地については、指定がなければ黒色になりますが、変更対応も可能です。

車輪付リフトテーブル

ロールカーテン

ロールカーテンは、4面ジャバラのようにパンタグラフ全体を覆うのではなく、必要な部分だけに取り付けてパンタグラフ部分を隠すことができるため、状況に合わせて柔軟な安全対策を施すことが可能です。例えば、作業者のいる方向のみを覆ったり、危険度が高い箇所のみを重点的に保護することができます。ただし4面ジャバラと同じ用途で4面にロールカーテンを取付する場合は構造上、すき間が発生するため効果的とは言えません。四方を囲う必要がある場合は、4面ジャバラをお勧めいたします。

このほかにもステンレス製の油圧リフトテーブルで、規格品で対応ができない場合も、改造品や特注対応(KTLシリーズ)にて製作いたします。

ラインナップには含まれない、高重量や高ストローク(2段~4段式)などの仕様もご提案が可能です。

ステンレス製油圧リフトテーブルが使用されている業界

ステンレス製の油圧テーブルは、上記の通り、耐食性、サニタリー性がすぐれていることから 以下の業界で使用されます。

食品業界

食品業界では、食の安全を守るため、製造現場の衛生管理が非常に重要です。特に、機械装置から発生する錆は、食品への異物混入に繋がり、重大な問題を引き起こす可能性があります。

そのため、食品製造現場で使用される装置には、耐食性に優れた材質であるSUS304やSUS316などが積極的に採用されています。ステンレスは錆びにくく、耐久性にも優れているため、衛生的な環境を維持し、食品の安全性を確保する上で重要な役割を果たします。

水産加工業界

水産加工業界では魚介類などを扱うケースが多く、リフトテーブルに日常的に真水や海水が付着することが予想されます。これらの水分は、金属の腐食を促進し、錆が発生しやすい環境を作り出します。錆は、水産物への異物混入の原因となる可能性もあり、製品の品質や安全性を脅かす重大なリスクとなります。このような厳しい環境下で使用されるリフトテーブルには、耐食性に優れたSUS304やSUS316といったステンレス鋼材を選定することが必要となります。これらの材質は、塩分や水分に対する耐性が高く、錆による腐食を抑制することで、リフトテーブルの長寿命化と衛生的な作業環境の維持が可能になります。

製薬業界

医薬品や製薬業界では、製品の品質と安全性を維持するために、製造工程における衛生管理が極めて重要です。搬送機器は、医薬品原料や製品に直接接触することも多いため、高い清潔性と耐久性が求められます。ステンレスは特性上、耐久性、耐薬品性、耐食性、低温特性に優れており、これらの要求をクリアすることから多くの現場で採用されています。医薬品製造などで使用する様々な薬品に接触しても劣化することが少なく、加えて低温環境下でもその特性を維持するため、多様な環境に対応が可能です。

クリーンルーム(クラス10,000程度)

クリーンルームのような精密な作業環境では、塵埃や磁気の影響を最小限に抑えることが重要です。非磁性体であるステンレス鋼材は、磁気を帯びないため、周囲の機器や製品への磁気的な影響を及ぼしません。さらに優れた耐薬品性も有しているため、クリーンルームで使用される洗浄剤や消毒剤等の薬品に耐性があり、腐食や劣化が起こりにくく、清浄度を維持することが可能となります。これらの特性によりステンレス製リフトテーブルはクリーンルーム(クラス10,000程度)での使用に適していると言えます。

 

まとめ

現場の使用環境、使用用途により、リフト寸法、仕様、構成部材のオーダーメイドの提案が可能です。
お気軽にご相談下さい。

>>ステンレス製 製作事例①をご紹介解説!

>>ステンレス製 製作事例②をご紹介解説!

一覧に戻る

関連する技術情報・技術コラム